ビキニ・デー

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ドカンと音がした。
近くの幻視力発電所からだ。
「ついに睡爆実験をしやがったな!」
誰かの怒声が聞こえた。
幻視波が町中を駆け抜け、人々の身体に作用しだした。
肉体が締め付けられるような感触。
俺の胸は三角形の布切れで覆われ、トランクスも窮屈な下着に変わっていた。
「なんじゃこら!?」
辺りの連中も同じ姿に変わっていた。
女性を見てようやく気が付いたが、いわゆるビキニの水着のようだ。恥ずかしさのあまり、俺は自分の自宅へと急いだ。

家に帰って胸の布切れを剥ぎ取ろうと試みるも、全く取れない。下も同じく、有機的に体に張り付いているらしくビクともしない。
「うう、小便がしたくなって来たけど、どうすんだこれ!?」
ああ、ヤバい、ヤバい!
ハサミで水着に切れ目を入れ、トイレに駆け込んだ。

が、生温かな下半身の感触で爆睡から目が覚めた。
「なんてこった」
まさか二十歳にもなって寝小便するとはな⋯⋯。
ファンタジー
公開:19/03/01 17:22
更新:20/03/01 11:15
ショートショートカレンダー 3月1日はビキニ・デーの日

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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