春の雪

ある山奥に一匹のカエルが住んでおりました。
しかし、季節はもう冬です。
そのカエルは他の動物達と同じく冬眠の最中でした。
「寒いよ、寒いよ。まだ春は来ないのかなぁ。」
カエルは布団を何枚も被り、必死で耐えました。

それから数ヶ月後
春がやっとやってきました。
「うう～ん。何だか外が暖かくなってきたな。外に出てみるか。」
カエルが外に出てみると辺り一面に満開の山桜が咲いていました。
「わ～い、ポカポカだ。暖かいなぁ。でも、こんなに暖かいとなんだか、おいら、眠くなってくるなぁ。もう、五分だけ寝るか。グ～グ～」

その日、その地域には数年に一度の雪が降りました。
「う～、寒いよ。ブルブル。あれっ、もしかして、もう冬になっちゃったの。ええっ、ちょっと二度寝のつもりだったのに。月日が経つのは早いなぁ。」