0
4

ヒラリ、ヒラリ
その日、天から大小様々な雪がゆっくりと舞う様に降りてきた
春なのに
満開の桜が咲いたばかりなのに
ある学者は「これは通常では考えられない異常気象だ。世界の終わりだ」と声高に叫んだ。
また、ある酔っぱらい達は「おお、これはなんて風流なんだ。あとはここに月が雲間からひょっこり出てくればいいのに」とお互いの杯を酌み交わした。

なぜ、春に雪が降ったのだろう。誰も知らない。誰にも分からない。

でも、理由はある

そう、語るのは有名小説家、真夏の雪だるまである。
「今日、降った雪は天からの手紙、それも私への挑戦状です。ふっ、この地域の神様はなかなか遊び心がありますね。手紙の文字を大小の雪の形に暗号化するとは。組み合わせは考え付くだけでも何百通りもありそうです。」
私が「難問ですか」と聞くと彼は笑顔でこう返答した。
「ははは、私に溶けない謎はないですよ。なんせ、私は熱い男ですからね」
公開:19/02/26 18:06
更新:19/02/28 10:41

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容