宵越しのお茶

12
18

宵越しのお茶を、飲んでしまった。縁起が悪いと母親に言われてたから、これまで飲んだことがなかったのに。

昨晩1度だけ飲んだ急須に残る茶葉は、思ったより綺麗だった。もったいないと思って、湯を入れ飲んだ。

一口飲んで案外いけると思った。だけど、液体じゃない何かを飲み込んだような気もした。

気のせいか?

ふと見ると、
茶の中に、ゆらゆら顔が見えた。

その子はおかっぱ頭で、一つ目で、だけど可愛い顔をしていた。右腕をひらひら降ったので、僕も振り返した。しかし頭の中は状況が全く飲み込めなかった。

机に湯飲みを置いた衝撃で、その子の顔は左右にふれる。恐怖心で目が離せず、そうやって見ていると、その子の左の腕がないことに気づいた。

あ。と思った瞬間、ぎゅっと心臓を捕まれたような苦しさが走った。

ぞくり。

食道を泳いで真っ直ぐ心臓に向かう、左腕の映像が頭に浮かんだ。

その子はニヤリと笑った。
ホラー
公開:19/02/26 18:01
更新:19/02/26 19:55

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容