飛び箱

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「これを北海道支部営業課の柳林さんに。」

カシコマリマシタ。

なんと便利な時代になったのだろうと男は背を椅子に預けた。東京から北海道の距離ならば、書類は1時間ほどで届くだろう。

昨今の運送業の間では、より安くより早くをモットーに熾烈な争いが繰り広げられる一方で、過酷な労働が問題となっていた。

そんな時にY社が開発したのが“飛び箱”である。
なんの変哲もないダンボールだが、荷物を入れて届け先を告げれば、瞬く間に側面から翼が生えて送り先まで飛んでいくのだ。

少々値が張るが、我が社ではこの“飛び箱”を全面的に使用することになっている。

ただ、難点が一つ。


「え、荷物が届かない?」
2時間後の北海道支部からの電話に、男は溜め息をついた。久々のトラブルだ。今回の“飛び箱”は不運にも配達を失敗したらしい。

「飛行機のエンジンにでも巻き込まれましたかね。また“飛び箱”に届けさせます。」
その他
公開:19/02/25 20:19
更新:19/02/25 20:20
仕事 運送 荷物 手紙

ちほ

田丸さんと橘ケンチさんのショートショートのイベントで感化されて始めました。初心者ですのでお手柔らかにどうぞ。

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