綺麗な夜空

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満天の星空。
星がいつの日か降り注いでくるかのように忙しく流れていた。
ぬか星がちりばめられた天井の真ん中をくりぬくように、月世界が顔を出す。
月の中の住人は一定の調子で餅をついている。
僕は、天体観測に最適な近所の公園の高台から、寒さを忘れて、双眼鏡で綺羅星と月のワルツを観測した。
星の数がいつもよりも一つ少なくなったとか、月の表面の凹凸が増えたとか、天文学者にしか詳しく知らない内容よりも、退屈な世界に彩りを与えてくれる浪漫を楽しんだ。
僕は、木の柵に両肘を乗せ、高層ビルの上の空を装飾する天からの贈り物をいつまでも眺めていた。
正直、このまま朝が来なければいいのにと不覚にも思ってしまった。
どうせ、また怠惰な世界が続くだけであるのだから・・・
その他
公開:19/02/27 23:54
更新:19/02/27 23:59

神代博志( グスク )









 

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