遂行

ジャックは、黒いマントを羽織り、相方と一緒にエレベーターに乗り込んだ。
建物には、複数の企業が入っており、最上階数は五十階もある。

エレベーターの天井の角に設置された防犯カメラの映像に二人が搭乗した証拠が残らないように、ポケットに忍ばせたデリンジャーの拳銃で、それを速やかに破壊した。

ジャックとその相方は、最上階に到着するまで、一言も話さず、静寂を保った。そして、暫くして、エレベーターは最上階につき、ゆっくりと扉が開いた。
次の瞬間、ジャックとその相方は、扉の前に立っていた小太りの大手自動車メーカーの深沢社長を、銃殺した。

ジャックは、ゆったりと構え、ポケットから白い手袋を取り出し、フロアに倒れた深沢社長の足を捕まえ、エレベーターの中に引きずり込んだ。ジャックが作業をしている間、相方はバールで火災探知機を鳴らした。二人は任務を遂行し終え、非常階段から脱走した。