使い方次第

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一番最初は食事をしているときのことだった。
その日はとてもお腹が空いていて、食べようとする速さに体が追い付かないほどだった。
食べても食べてもなぜか満足できず、どんどん料理を平らげていった。
つかむ。かみつく。ちぎる。咀嚼して、飲み込む。何度も何度も繰り返していくうち、異様なほどに、料理を食べる速さが上がっていくのに気付いた。

なんでだろう、と思う。
一度手を止める。止めた、はずが。

どこかから手がのびる。料理をつかんで、持ち去る。次の瞬間。
自分の頭蓋骨が、がくり、がくりと振動した。
驚いた。近くの鏡で確認する。

頭蓋骨にもうひとつ顎ができていた。腕ももう一対生えていた。
恐怖しか感じなかった。

だから、食事をするときは気を付けた方がいい。あまり急ぎすぎると、こんなことになるからね。

え?腕が増えてうらやましい?一度に複数のゲームを掛け持ち出来るから?
……変わった人だね、君。
その他
公開:19/02/27 20:41

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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