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毎日、朝9時の開店から午後10時の閉店まで店にいるご婦人がいます。誰にでも気さくに声をかけ、荷物を持ってあげたり、給水器の操作や、当店のポイントシステムの説明などもしてあげているのです。非公式なのですが、当店の誰よりも長くいらっしゃる方なので、店長も強く言えません。
私も定年が近いのですが、あんな風に年金生活を送る余裕はありません。再雇用か警備員の口でもないかと、休憩時間にアルバイト雑誌を立ち読みしていると、そのご婦人にパンと背中を叩かれました。
「明日さ、私の替りにここにいてくれない?」
「え? どうされました。体調がお悪いのですか?」
その人は、馬鹿ねぇという顔で言いました。
「確定申告だよ」
ご婦人は、毎日のお礼や頂き物などで日に数万円の利益を上げているというのです。
「今、事業拡張計画中なんだ。あんた、FC加盟する?」
私は、考えさせてください。と答えて仕事に戻りました。
私も定年が近いのですが、あんな風に年金生活を送る余裕はありません。再雇用か警備員の口でもないかと、休憩時間にアルバイト雑誌を立ち読みしていると、そのご婦人にパンと背中を叩かれました。
「明日さ、私の替りにここにいてくれない?」
「え? どうされました。体調がお悪いのですか?」
その人は、馬鹿ねぇという顔で言いました。
「確定申告だよ」
ご婦人は、毎日のお礼や頂き物などで日に数万円の利益を上げているというのです。
「今、事業拡張計画中なんだ。あんた、FC加盟する?」
私は、考えさせてください。と答えて仕事に戻りました。
ミステリー・推理
公開:19/02/24 12:30
更新:19/02/24 12:34
更新:19/02/24 12:34
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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