豆腐と拳銃、時々パンツ

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俺は殺し屋。普段はしがない豆腐屋の親父として昭和感溢れる自転車で移動販売をしている。これが意外と売れている。
正直、殺し屋なんて辞めて豆腐屋に転職しようと思ったことさえある。豆腐はいい。俺の気持ちがよく表れる。
少しでも気が乗らないと豆腐はすぐにヘソを曲げる。味に雑味が出てしまうのだ。
にがりが苦みに変わってしまう。これではだめだ。
それに気付いた時から俺は豆腐と真摯に向き合うようになった。
豆腐は殺しと同じだ。銃と同じで手入れは丁寧に。獲物と同じで相手の全てを知る必要がある。だから銃も豆腐も一丁と数える。
そうして出来た豆腐はまさに完璧だ。

そんな俺はらしくないヘマをして捕まった…
「アンタねぇ…下着泥棒なんかして恥ずかしくないの?」
そう、俺は殺しがバレて捕まったんじゃない。下着泥棒がバレて捕まってしまったんだ。
俺は自分を一丁前と思い込んでいた。だがまだまだ半人前だったようだ。
公開:19/02/25 18:17
更新:19/02/26 18:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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