母の告白

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私、今まで主婦として栄養のバランスとか、見栄えとか、色々気を配って、料理をしてきたけどね。
もうそれはやめようと思う。
だって私、実は
カップラーメンが大好きでたまらないの!!
だいたいお湯を注いで数分で食べられるなんて、ミラクルとしか言い様がないわ。ワカメとかたまごとか、フリーズドライという技術のおかげで、ナマのようにおいしく食べられるのよ。味だって何種類もあるから飽きることもないし。お茶碗洗うのもしなくていいし。なんて素敵な食べ物、いや発明なんでしょう!AMAZING!!

母の告白を聞いて、小学6年の私は危機感を覚えた。毎日カップラーメンの日々…。なんだか怖い。
私は、なるべくお母さんの手伝いをするようになった。気が変わってくれるように。
しかし母の嗜好は変わらなかった。

私はいつしか3分測れるようになった。胸にタイマーを付けたのである。

出典『人に歴史あり ウルトラマン編』より
ファンタジー
公開:19/02/24 23:59

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