高気密男子

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「カラダって家と似てるのよ」

俺の足裏を揉みほぐしながら、リフレサロン勤めの彼女は解説する。気密性に優れた最近の住宅は、外の空気を遮断して中は快適に保つ。それが、人との関わりを避ける、内向的な若者のイメージと重なるという。

「良いときもあるけど、過ぎると毒よね。あなたもどっちかって言うと…」

ボンっという破裂音とともに右脚に痺れが走った。

「な、なにを…」
「給気口をね。つぎは左」

昔の人は在来工法のごとく風通しが良かった。胸を開き、腹を割った言動を好んだ。でも俺をはじめ最近の若者は…。

「なにを考えてるのかなって。もっと知りたいのになって」

リズミカルな指圧に、左脚も音を立てた。彼女は大きく息をついて、俺の腹にまたがってきた。

「あとは排気ファン、かな」

そっと唇が重なる。
足裏から勢いよく空気が入り込み、口から欲望が放たれる。



「俺、ほかの娘が好きなんだ!」
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公開:19/02/22 22:59

糸太

400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。

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