孤独

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ICチップを埋め込まれ、どこにも逃げられない夢を見た。

どうやらお金のために両親に売られたらしい。

私は冷静だった。

と言うより、諦めていたのかもしれない。

と言うより、受け入れるしかないと覚悟したのかも。

しかし状況を本当には理解していなかった。

虐げられ、監視と管理される生活に、ある日たまらず逃げ出した。

けど走った先には果てがあり、岸壁で足を止める。私は島にいた。向こう岸に渡る船も、お金もなかった。

追っ手は巻いたと思ってたのに、追いつかれ連れ戻された。その時、私にはICチップが埋め込まれているのだと知った。

ここから逃げた後を想像してみた。
どこに逃げても連れ戻される未来しか想像できなかった。

自由になれないなら死んだ方がいいのか、従順に生きていた方がいいのか

絶望の中で考え、途方もなく孤独になった。

箒でたたかれて起きた。

夢と何が違うのだろうと思った。
公開:19/02/22 21:41
更新:19/02/24 21:44

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。

110.泡顔

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