再びの旅
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そして、私は旅に出た。
あれはちょうど、こんな日だった。
故郷と呼べるであろうこの地に戻るまでに、かなりの月日を要した。
街は、だいぶ様相が変わってしまっている。
自分の部屋が今もあるのかも疑わしい。
なんとか記憶と照らし合わせて、街を歩く。
それにしても、こんなに変わってしまうものなのか。
街の名前は確認したので、場所を間違えている訳ではないと思うが。
建ち並ぶビルも、道行く人も、何一つ記憶にない。
年月とは恐ろしいものだ。
最後に曲がる角がどうしても見つからず、何度も同じ道に戻っては、また別の角を曲がった。
やはり、もうあの部屋はないのかもしれない。
さすがにこれでは行き過ぎだな、と思うところまで来て、ようやく諦める決心がついた。
あの日もこんな日だった。
自分の世界の端に立ち、背中から吹いてくる柔らかい風に押されるように、一歩を踏み出した。
そして、私は旅に出た。
あれはちょうど、こんな日だった。
故郷と呼べるであろうこの地に戻るまでに、かなりの月日を要した。
街は、だいぶ様相が変わってしまっている。
自分の部屋が今もあるのかも疑わしい。
なんとか記憶と照らし合わせて、街を歩く。
それにしても、こんなに変わってしまうものなのか。
街の名前は確認したので、場所を間違えている訳ではないと思うが。
建ち並ぶビルも、道行く人も、何一つ記憶にない。
年月とは恐ろしいものだ。
最後に曲がる角がどうしても見つからず、何度も同じ道に戻っては、また別の角を曲がった。
やはり、もうあの部屋はないのかもしれない。
さすがにこれでは行き過ぎだな、と思うところまで来て、ようやく諦める決心がついた。
あの日もこんな日だった。
自分の世界の端に立ち、背中から吹いてくる柔らかい風に押されるように、一歩を踏み出した。
そして、私は旅に出た。
その他
公開:19/02/22 22:22
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