あなたがチャンスを得るチャンスを私にください

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「チャンスは自分で掴め? たわ言です。人生の禍福は同じ数? 嘘っぱちです。人は一人では生きていけないのに、社会はライバルを蹴落とす生地獄だ。それを変えてくれたのが社長でした。
 社長はビルの谷間で残飯拾って生きてる。チャンスを諦めた人だ。この社長が、私にチャンスをくれた! 社長が捨てたチャンスを頂いたんです。
 そう。チャンスは貰うものだ、チャンスを捨てた人から。そこに競争はない。
 え? 感謝? 誰に? 社長に? 馬鹿ッ!
 何もしない奴が報われたらバランスが崩れるじゃないかっ! 社長は一生ビルの谷間だっ。
 ええと… みなさんはどちら側?
 ね。そこで大切なのが、清らかな心と体。そのための清らかな水と空気です。薄汚れた心身を清浄にして、何時でもチャンスを拾えるように、特別にお水と空気をお分けいたします。霊験あらたかな、品質保証付、ワンセット18万円の大御奉仕。チャンスは目の前ですよ!」
その他
公開:19/02/23 10:58

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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