瓶詰奇譚
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日曜日の午後、僕はある店を訪れた。その店では、なんとも珍しい小瓶が売られているらしい。
「いらっしゃいませ。当店では、奇譚を小瓶に詰めたものを取り扱っております。小瓶を開けて頂きますと、奇譚が小瓶から溢れ、小瓶の世界を見ることができます。ご自由にご覧になって頂いて結構です。しかし、“禁”というラベルの貼られたものは決して開けないでください。絶対にです」
1つ目の小瓶には、少女の過去をめぐる奇譚。
2つ目の小瓶には、とある街灯の奇譚。
ふと、紅く染まった小瓶が目に付いた。その瓶には“禁”のラベルが。しかし、小瓶に魅了された僕は、小瓶を開けてしまった。
すると、紅く染まった空と鳥居と四十三本の彼岸花。そして、おいでおいでと手招く少年が見えた……。
紅く染まった瓶を手に、ひとり店主は呟く。
「あぁ、またひとり…」
小瓶の中の彼岸花は、四十四本になっていた。
「いらっしゃいませ。当店では、奇譚を小瓶に詰めたものを取り扱っております。小瓶を開けて頂きますと、奇譚が小瓶から溢れ、小瓶の世界を見ることができます。ご自由にご覧になって頂いて結構です。しかし、“禁”というラベルの貼られたものは決して開けないでください。絶対にです」
1つ目の小瓶には、少女の過去をめぐる奇譚。
2つ目の小瓶には、とある街灯の奇譚。
ふと、紅く染まった小瓶が目に付いた。その瓶には“禁”のラベルが。しかし、小瓶に魅了された僕は、小瓶を開けてしまった。
すると、紅く染まった空と鳥居と四十三本の彼岸花。そして、おいでおいでと手招く少年が見えた……。
紅く染まった瓶を手に、ひとり店主は呟く。
「あぁ、またひとり…」
小瓶の中の彼岸花は、四十四本になっていた。
ホラー
公開:19/02/21 18:22
更新:19/02/21 21:44
更新:19/02/21 21:44
瓶詰奇譚
小瓶と奇譚
書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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