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「ほ、本当ですか。こんな高級マンションの一室を月々4万円で住めるなんて。確かここは高級住宅街だったはず」
「本当ですよ。ご安心下さい。後で追加料金を請求する事は一切御座いません」
「でも、それじゃ、何でこんなに安いんですか」
「聞きたいですか」
「勿論です。もしかして、この部屋で誰かが自殺したんですか。それとも、夜中に幽霊が出るとか」
「オホホホ、そんな事は御座いませんよ。ただ、この部屋に住む方にはある事をして頂きたいのです」
「ある事とは?」
「それはモブです」
「モブ?」
「そうです。分かりやすく言えば、マダムの引き立て役です。この高級住宅街に住むマダム達は皆、ストレスを抱えていらっしゃいます。自分の持っている物を自慢する相手がいないからです。自分の持っている者は当然、周囲も持っています。ですから自慢する相手が欲しいのです。優越感に浸りたいのです。そのために選ばれたのがあなたなのです」
公開:19/02/21 15:45
更新:19/02/21 22:40

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