双六成人

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20歳の成人式を終えたその日に両親から大きな薄い箱をもらった。大きな箱にはマスが沢山書いてある紙「この2つは父さん母さんからの最後の育児だ」「父さんも爺さんからもらったんだ」「ほんとに20歳ね、頑張ってね」両親が泣きながら自分に言葉を羅列するが頭には入らずただ話には聞いていたが自分も貰うことになるとはと。成人の証。それだけはぽんとうかんだ。1マス目には父と母自分の名前、誕生日、出生体重、幼稚園小中高の出身校、就職先が書かれていた。明日自分は仕事先の都合でこの家をでる。「これからの人生何もかも自分で決めなければならなくなる。それは双六と同じ自分から賽を降らなければ次の1歩はでない」そんな父の人生の賽と言うのだろうかの言葉と母の料理の手書きレシピ本を持ち今新しい環境に飛び込んでいる。双六表には父の言葉があった。この先自分はどんなイベントをマス目に入れられるかほんとに先が見えないけど楽しみだ。
SF
公開:19/02/21 07:35

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