新緑

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万人に向けられた優しさを貰うくらいならわたしだけに向けられる非道さが欲しかった。

偽りで覆ったあなたの本物に触れたくてたまらなかった。

汗に濡れた前髪に隠れた茶褐色の瞳がゆうらりと波立つ。

わたしを拒むようにかさついた唇が震える。

暴かれることを怯えて背を返す。

夏はもうそこまで来ていた。
恋愛
公開:19/02/21 06:02

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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