壁猫。外伝⑤~金と吟(ぎん)
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後ろに視線感じ、刷毛持ったまま振り返る。
げっ、ノー学!?
ノー学が反転した。――荷物放って俺も走る。あの根暗、いつもいつもシカトしやがって、人を馬鹿にしてんだ。逃がしたらある事ない事吹いて、停学どころか退学喰らう。
……くそ、案外いい脚してんな。ヤケで叫ぶ。
「てめぇ待たねぇとぶっ殺す!」
それ言われて待つ奴、いたら拝みてぇよ。セルフ突っ込み。
「来るな!!」
今の。
考えた一瞬でまた開いた。路地が切れる――見失う。
「音楽室!」
停まった。ダッシュで距離1に詰める。詰まった。追い付いた、半歩追い越してブレーキして戻った。
「こないだの夜!音楽室!……歌ったのお前だろ」
掴んで払われて掴む。ぶち!ボタンが飛んで――キンッ。エンドでずっこけて足音が振り切った。
「カンゼ!!」
金色ボタンがガラスの靴みたいに置き去りで、擦り剥いた膝が痛くて俺自身もイタくて。
アホ面下げてぼろぼろ泣いた。
げっ、ノー学!?
ノー学が反転した。――荷物放って俺も走る。あの根暗、いつもいつもシカトしやがって、人を馬鹿にしてんだ。逃がしたらある事ない事吹いて、停学どころか退学喰らう。
……くそ、案外いい脚してんな。ヤケで叫ぶ。
「てめぇ待たねぇとぶっ殺す!」
それ言われて待つ奴、いたら拝みてぇよ。セルフ突っ込み。
「来るな!!」
今の。
考えた一瞬でまた開いた。路地が切れる――見失う。
「音楽室!」
停まった。ダッシュで距離1に詰める。詰まった。追い付いた、半歩追い越してブレーキして戻った。
「こないだの夜!音楽室!……歌ったのお前だろ」
掴んで払われて掴む。ぶち!ボタンが飛んで――キンッ。エンドでずっこけて足音が振り切った。
「カンゼ!!」
金色ボタンがガラスの靴みたいに置き去りで、擦り剥いた膝が痛くて俺自身もイタくて。
アホ面下げてぼろぼろ泣いた。
ミステリー・推理
公開:19/02/21 00:00
更新:19/02/22 18:41
更新:19/02/22 18:41
壁猫。エピソード1・7(A)
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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