晩夏

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晩夏の湯冷めした身体は冗談のような夢に夜冷えして目覚めたときには吐息さえ凍っていた。

思うように動かない指先であなたの紅桔梗の袖を引いてどうかわたしに気づいてと縋るようにあなたの名前を囁く。

永遠なんて願わないと約束するから今このときだけはわたしだけのあなたでいて。

酢橘の香りがした。
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公開:19/02/22 08:23

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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