くだらん男も

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サビ残を終えて家に戻ると、また怒鳴り声が聞こえた。
「夜中のギター超迷惑なんですけど」と203の石黒さん。
「うるせえ。俺の勝手だろ」と204の白井さん。
聞こえないふりで202の鍵を開けた。

しばらくしてチャイムが鳴った。
「夜分遅くすみません。201に越してきた白鳥と申します」
ドアを開けると、とんでもない美人が立っていた。
「あ、はぁ。どうも」変な声が出た。

その出会いを境に、僕の人生は一変した。
辞表を叩きつけて忌まわしきブラック企業に別れを告げ、
転職した先は今までが嘘のようなホワイト企業だった。
自信を取り戻した僕は、ついに白鳥さんに告白した。
返事は……OK。

幸せな僕の耳に、犬猿の仲だった白井さんと石黒さんが
婚約したとのニュースが飛び込んできた。
石黒さんは今日から白井さんだ。

人生のどんでん返しはいつ起こるか分からない。
真っ白な新生活に描くのは、虹色の未来だ。
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公開:19/02/21 23:15
更新:19/02/21 23:27
新生活

UBEBE

おっさんになりましたが、夢は追い続けます

「小説は短く、人生は永く」

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