この苦労、想像したことある？

新生活、新しい場所に中々馴染めないのは何も人に限った話ではない。実は人以上に神様が苦労している。
例えばだ。田舎で暮らすことになった神の話だ。
有名な神社の立派な分社。そこに住まうことになった神だが、田舎は土着神の信仰がとにかく厚い。
祭りなんかを開けばそれなりに人はやって来るが、それ以外は閑古鳥が鳴いてる。
それどころか病気や不作が起こってみろ。全部新しくやってきた神のせいにされる。そう、神様だって肩身が狭いんだ。
じゃあ、都会のように神社の多い場所ならどうだって？
いやいや、そこはそこで苦労が絶えない。商魂逞しい神達が賽銭客の奪い合いで血生臭いキャットファイトを繰り広げているのだ。
暴力反対？何を言う。神の世界はいつだって武力による制圧で成り立っている。
しかもだ。本体である大社から賽銭が少ないと、頑張りが足りないと怒られる。
そう考えると人が羨ましいよ。なあアンタ、代わってやろうか？