RED PERCOLATION #2

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ここまで科学も発達した世なのに、未だに不明な点がある。
なぜ、世の父親は、子が待つにも関わらずあんなに朝のトイレが長いのか。

「親父!さっさと出ろよ!」
そして、今朝も待たされる息子がここに。
「親父!早く出ろって!遅刻すんだろうが!」
今や高校生。反抗期も真っ盛りだが、之ばかりは反抗しようにも中々出来ない問題。
「親父!」
ノック、聞こえてんのかとまたノック。そして気付く。

さっきから親父の返事がない。

まさかと思い、トイレの扉オープン。

やっぱりだ。天井に突き刺さっている親父。

我が家の温水便座。その強度、「やわらか」「ふつう」「つよい」「ふじょう」。

「男には一度はやらんといかんときがある」
トイレに入る前、親父はよく呟いていた。

だからと言って、なぜ毎回やるのか親父。
いちいち引っこ抜くこちらの身にもなれ親父。
確か痔持ちだったはずなのに親父。

【修錬】
その他
公開:19/05/15 22:10
更新:19/05/15 23:00

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