鼻唄美女
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憧れの先輩とすれ違うと、やっぱり今日も鼻唄が聞こえる。でも、先輩に聞いても微笑むばかり。音楽は止まらないのに、鼻唄を唄っているようにはとても見えない。
だから僕は、ふわりと浮かんでいる音符を捕まえて、先輩の前に差し出したんだ。
「ほら、唄ってるじゃないですか」
証拠を突きつけられたというのに、先輩の微笑みはさらに深くなる。
「それ、あなたのよ」
えっ?きょとんとした僕に、先輩は顔を近づけてくる。
「鼻唄はね、心の音が自然に溢れ出たもの。本人はどんなメロディかなんて知らないし、気にもしない。でも音符は違うわ。その気持ちを記録するもの。あとから何回も何回も思い返すために」
どきりとした。先輩は「私には聞こえてるわよ」と言わんばかりに、音符を耳にあてて笑う。
落ち着け。じゃあ、さっきから僕に聞こえてるこの鼻唄はやっぱり…。
僕から音符がまたひとつ、弾け飛んだ。
だから僕は、ふわりと浮かんでいる音符を捕まえて、先輩の前に差し出したんだ。
「ほら、唄ってるじゃないですか」
証拠を突きつけられたというのに、先輩の微笑みはさらに深くなる。
「それ、あなたのよ」
えっ?きょとんとした僕に、先輩は顔を近づけてくる。
「鼻唄はね、心の音が自然に溢れ出たもの。本人はどんなメロディかなんて知らないし、気にもしない。でも音符は違うわ。その気持ちを記録するもの。あとから何回も何回も思い返すために」
どきりとした。先輩は「私には聞こえてるわよ」と言わんばかりに、音符を耳にあてて笑う。
落ち着け。じゃあ、さっきから僕に聞こえてるこの鼻唄はやっぱり…。
僕から音符がまたひとつ、弾け飛んだ。
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公開:19/05/14 23:27
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
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