七夕の願い事
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「彦星様…」
「どうしたのですか、織姫殿」
「彦星様に一年ぶりに出会えて織姫は幸せですわ。でも来年は彦星様に会えるのか…そのことを考えると…」
「そのような心配事より、我々にはやるべき事があるかと」
「そうでしたわ。地上の短冊に書かれた願い事を叶えてさしあげないと。しかし最近は『世界征服』など、無理難題な願いが多く困りますわ」
ため息を一つついた後、下界を見下ろした織姫が、彦星の袖を引っ張って声を上げました。
「彦星さま、あの『ゆうと』君が書いた短冊が見えますでしょうか」
「おおっ!何と、優しさに溢れた願い事でしょう。今年は、あの願い事を叶えてはいかがでしょうか」
「もちろんですわ。彦星さま」
ゆうと君は、幼稚園の年少さんです。幼稚園の園庭に大きな笹竹が植わっています。ゆうと君の書いた短冊が、笹の葉の中で涼しげに揺れています。
『おり姫とひこ星が来年も出会えますように ゆうと』
「どうしたのですか、織姫殿」
「彦星様に一年ぶりに出会えて織姫は幸せですわ。でも来年は彦星様に会えるのか…そのことを考えると…」
「そのような心配事より、我々にはやるべき事があるかと」
「そうでしたわ。地上の短冊に書かれた願い事を叶えてさしあげないと。しかし最近は『世界征服』など、無理難題な願いが多く困りますわ」
ため息を一つついた後、下界を見下ろした織姫が、彦星の袖を引っ張って声を上げました。
「彦星さま、あの『ゆうと』君が書いた短冊が見えますでしょうか」
「おおっ!何と、優しさに溢れた願い事でしょう。今年は、あの願い事を叶えてはいかがでしょうか」
「もちろんですわ。彦星さま」
ゆうと君は、幼稚園の年少さんです。幼稚園の園庭に大きな笹竹が植わっています。ゆうと君の書いた短冊が、笹の葉の中で涼しげに揺れています。
『おり姫とひこ星が来年も出会えますように ゆうと』
ファンタジー
公開:19/05/14 23:26
黒柴田マリと申します。ショートショート、大好きです。あと、リンゴも大好きです。
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