ポチ
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昔々ある所に、おじいさんとおばあさんが一匹の犬と仲良く暮らしていました。
「ばあさんや、裏の畑でポチが吠えておるぞ」
「どうしたのですかね、いつもは大人しいのに」
「そうだ、ばあさんや、ほれ…動物の鳴き声が分かる…」
「聞き耳ずきんですかね。探してきましょう」
しばらくして、おばあさんが一つの頭巾を持って来ました。早速おじいさんは頭巾を被り、耳を澄ましました。
「…変じゃな。ポチの鳴き声が聴き取れん」
おじいさんは、おばあさんに頭巾を渡しました。
「雀や猫の鳴き声は聞き取れますが、ポチの鳴き声だけが分かりませんね」
「おーい、ポチさんや」
走り寄ってきたポチを、おじいさんは抱き上げました。
「ポチや、お前さんは、いったい…」
ポチは犬なのじゃろうか。いや、そもそも動物ですらない何かなのじゃろうか…
おじいさんのそんな思いをよそに、ポチはいつまでもおじいさんの顔を舐め続けました。
「ばあさんや、裏の畑でポチが吠えておるぞ」
「どうしたのですかね、いつもは大人しいのに」
「そうだ、ばあさんや、ほれ…動物の鳴き声が分かる…」
「聞き耳ずきんですかね。探してきましょう」
しばらくして、おばあさんが一つの頭巾を持って来ました。早速おじいさんは頭巾を被り、耳を澄ましました。
「…変じゃな。ポチの鳴き声が聴き取れん」
おじいさんは、おばあさんに頭巾を渡しました。
「雀や猫の鳴き声は聞き取れますが、ポチの鳴き声だけが分かりませんね」
「おーい、ポチさんや」
走り寄ってきたポチを、おじいさんは抱き上げました。
「ポチや、お前さんは、いったい…」
ポチは犬なのじゃろうか。いや、そもそも動物ですらない何かなのじゃろうか…
おじいさんのそんな思いをよそに、ポチはいつまでもおじいさんの顔を舐め続けました。
ホラー
公開:19/05/16 20:57
黒柴田マリと申します。ショートショート、大好きです。あと、リンゴも大好きです。
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