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「貴方にはほとほと愛想が尽きたわ」
そう言って魂は体に離魂届を突きつけた。
「早く名前を書いて判を押して」
体に拒否権はない。名前を書き、判を押すと魂は体から出ていった。
何がいけなかったのだろう?
健全な肉体には健全な魂が宿るという。
自慢じゃないがこの体は健全な肉体だ。今まで一度も風邪を引いたことがない。持病もケガもないぞ。
それなのに魂の奴、何で体から出ていったんだ?
体は呆然とする。意味が分からない。
魂が抜けてしまった体はこれからどうしたらいいんだ?

「こら!山根!ボーっとするんじゃない!まったく…ゴールデンウィーク明けてからというもの魂が抜けたみたいにボーっとする奴が多くなって困る…」

頭が『上司に叱られた』という情報をキャッチした。
魂の抜けた状態でも体は動く。
体は上司の指示に従い、腑抜けた表情でダラダラと動く。

この状況、世間一般では『五月病』と呼ばれている。
公開:19/05/13 18:32
更新:19/05/14 18:28

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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