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博士は大体において何でもこなせる質だったが、片付けだけは苦手だった。
片付けをさせるためだけに家政婦を雇おうともしたが、研究の秘密を知られて持ち出されては困る。なので専用のロボットを作ることにした。
精巧に作った片付けロボットはよく働き、秀逸だった。

その年の暮れ病気が見つかった博士は、入院する前に断捨離することに決めた。
治療次第では長期化するかもしれず、暫くここには帰ってこられないかもしれないからだ。

博士はロボットに、この家にある古くて要らなそうな物から処分するように設定した。
設定が終わり早速スタートさせると、ロボットはぐるッと頭を一周させた。
そして博士と目が合うと、博士を持ち上げシュレッダーに入れた。
ガゴゴッ
と鈍い音をたてながら裁断された博士をロボットはゴミ袋に入れ、汚れた床の後始末もきちんと終わらせると

完了しました!
完了しました!
と二回アラームを鳴らした──。
ホラー
公開:19/05/13 09:00
更新:19/05/14 01:07

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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