じいちゃん
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じいちゃんが倒れて入院した。両親を亡くした俺を、じいちゃんは自分の子供のように面倒を見てくれた。きつめの冗談で、いつも人を驚かしていた、そんな冗談好きなじいちゃんに、もう会えなくなる…オレは病室のドアをそっと開けた。
「じいちゃん、俺だよ」
「おお…大事な孫よ…ワシに最期の告白をさせてくれ…お前の母さんのことだ。嫁いできた母さんはべっぴんで…堪らずワシは、お前の母さんに…してはならないことを…してしまったのだ。お前の出産後に母さんは自殺して…遺書を見つけたお前のオヤジはワシに掴みかかってきて…思わず…」
俺は詰め寄って
「じいちゃん!この話、いつもの冗談だよな!」
じいちゃんが一瞬、微笑んだ。この微笑は、とっておきの冗談を言い切った満足感からなのか、それとも真実を告白した開放感からなのか…
突然、心電計が甲高い音を上げた。
俺は呆然として、その場に立ち尽くすことしかできなかった。
「じいちゃん、俺だよ」
「おお…大事な孫よ…ワシに最期の告白をさせてくれ…お前の母さんのことだ。嫁いできた母さんはべっぴんで…堪らずワシは、お前の母さんに…してはならないことを…してしまったのだ。お前の出産後に母さんは自殺して…遺書を見つけたお前のオヤジはワシに掴みかかってきて…思わず…」
俺は詰め寄って
「じいちゃん!この話、いつもの冗談だよな!」
じいちゃんが一瞬、微笑んだ。この微笑は、とっておきの冗談を言い切った満足感からなのか、それとも真実を告白した開放感からなのか…
突然、心電計が甲高い音を上げた。
俺は呆然として、その場に立ち尽くすことしかできなかった。
ミステリー・推理
公開:19/05/12 17:14
更新:19/05/12 17:15
更新:19/05/12 17:15
黒柴田マリと申します。ショートショート、大好きです。あと、リンゴも大好きです。
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