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知美は、更新手続きのために来ていた銀座のビルの前で偶然、高校の同級生だった久雄と再会した。久雄は「セミナーだったんだ」と言った。
ほどなく二人は、互いの部屋を行き来きする関係になった。久雄は自前の調理器具で料理を振る舞い、知美は常備している洗剤や掃除道具などで部屋中をピカピカにした。
「少し高いけど、包丁って一生モノだろ。道具に愛着が湧くと料理も楽しいよ」
「これみんな天然成分由来なの。少し高いけど、地球人としての責務だと思うな」
そんな関係が半年ほど続いたある日、互いの用事を銀座で済ませた帰りのファミレスで、高校時代の担任の友永にばったり出くわした。友永は再会を喜んだが、すぐ真顔になった。
「お前ら悩みがあるな? 分かるさ、先生だからな。これは縁だぞ。ちょうどこれから俺の先生が来るから紹介してやる。チャクラが開くぞッ!」
二人が新天地で結婚したのは、それから三ヵ月後のことだった。
ほどなく二人は、互いの部屋を行き来きする関係になった。久雄は自前の調理器具で料理を振る舞い、知美は常備している洗剤や掃除道具などで部屋中をピカピカにした。
「少し高いけど、包丁って一生モノだろ。道具に愛着が湧くと料理も楽しいよ」
「これみんな天然成分由来なの。少し高いけど、地球人としての責務だと思うな」
そんな関係が半年ほど続いたある日、互いの用事を銀座で済ませた帰りのファミレスで、高校時代の担任の友永にばったり出くわした。友永は再会を喜んだが、すぐ真顔になった。
「お前ら悩みがあるな? 分かるさ、先生だからな。これは縁だぞ。ちょうどこれから俺の先生が来るから紹介してやる。チャクラが開くぞッ!」
二人が新天地で結婚したのは、それから三ヵ月後のことだった。
その他
公開:19/05/14 09:27
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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