「コットン」

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コットン、コットン。

先程から僕の背後で、そのような音が鳴り響いている。

コットン、コットン。

そういえば彼女が「コットンケース、知らない?」とか言っていたな、と思い出した。

コットン、コットン。

僕はその音を無視していた。

コットン! コットン!

音は止まない。むしろ、激しくなってきているような気がする。
そこで僕は振り向いた。視線の先にはコットンケース。
なんだ、コットンケースあるじゃないか。
しかし、よく見てみると、そのコットンケースがコットン、コットンと動いていたのだ。

音の正体は、コレか。

それにしても一体どうなっているんだ? と、そのケースを手に取り、何気なく蓋を開けてみた。
中に見知らぬ女が入っていた。
呆然と立ち尽くしていると、その女が声を上げた。

「助けてぇ!」

この声は……。
彼女のスッピンに、僕は思わずケースを落としてしまった。

コットン、と。
ホラー
公開:19/05/10 23:25
5月10日 コットンの日

壬生乃サル

自由きままに、気の向くままに。
サルも木から落ちる・る・る~。

壬生乃サル(MIBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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