鍵物語

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僕、ロッキー。自転車の鍵。じっとしているのが大の苦手。だから今日も指定の引き出しから飛び出して、床に着地して冒険する。マンガの背表紙に乗って本棚の上まで行く。ここからの景色は絶景だ。床が低くて、おもちゃも全部小さく見える。本当は動いちゃいけないんだけど、これだからやめられない。窓の外には、ノブくんの楽しそうな声が聞こえる。公園で鬼ごっこやサッカー。僕にはとても羨ましい。だから生まれ変わったら男の子になりたい。それまでは、ノブくんと自転車に乗って遠くまでついていく。男の子になれたなら、僕はノブくんと学校に行ったり鬼ごっこやサッカーをして遊ぶんだ。
ノブくんがいなくなったのがわかって、僕は慌てて引き出しを目指して走ったけれど間に合わず、僕は床に寝そべった。
「お母さん、鍵知らない?」
またノブくんが怒られている。今回も僕のせい。ごめんね。

……という妄想しながら探してます。私自身が。
その他
公開:19/05/10 19:28
更新:19/05/10 19:28
久しぶりの自転車の鍵は いつも大捜索する。

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz

『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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