20世紀少女-2「犯罪者」

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線路脇の伸び放題の雑草の中に、2人はくっついて身を潜めた。胸元が大きく開いている服なので、キョロの胸が丸見えだ。
僕はヒョロ。小学4年生。今日も大好きな同級生の女の子、キョロと遊んでいる。
「キョロ、やっぱりやめようよ」
「何言ってんの!電車もう来てんでしょ」
「でもさぁ。あれで一体何すんの?」
「後で、教えたげる。電車来るよ!」
「パァ〜ン」突風の中、電車が通過した。
線路に行ってみると、ペチャンコになった8本の釘が。
「見て、見て!ヒョロ。大成功!」
釘はヤケドするくらい、熱くなっていた。
「『線路に物を置くな』って、看板に書いてあんじゃんよ。僕ら9歳で犯罪者かよ」
キョロは、何食わぬ顔で言った。
「電車、何でもなかったでしょ?」
更に、ニコニコして続けた。
「罪を犯せば犯罪者。釘を潰せば万歳者」
そして、両手を挙げて叫んだ。
「バンザ〜イ」
良くわかんないけど、僕もバンザイした。
青春
公開:19/05/10 17:05
更新:19/05/11 00:35

渡辺 隆一( 千葉県野田市 )

千葉県野田市在住の、渡辺隆一です。
小学4年生の頃から、文章を書くのが
好きで、今も、趣味で書いています。
ショートショートが、好きです。

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