幽体離脱

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一日が終わる。
そんな時間にやっと家に辿り着く。
ソファにもたれかかり、無機質な蛍光灯を見上げてため息をついた。
いつもそのまま横に倒れ、仰向けに眠るのだ。

気づくと、幽体離脱していた。
目の前のソファでは自分が寝息を立てている。
涙が一筋流れた頬を見て、情けなくて泣きそうになった。
このままどこかへ行こう。
そう思って窓をすり抜け空へ飛び出した。

上から見下ろした街は美しかった。
けれど、夜の暗闇は逆に、いつか訪れる朝を思わせる。
夜に眠れないとなると、安息の時間などないのだ。

そのうち空が白け始め、朝日が昇ってきた。
そろそろ帰って起きなくちゃ、間に合わない……
暗い面持ちで部屋に帰った。

だが、そこにはあくびをして背伸びする自分の姿があった。
スーツに着替えて部屋を出ていく。

自分はもういらないのだ。
そっか……じゃあ、よろしくね。
私は空へ飛び立った。
ファンタジー
公開:19/05/10 14:27
更新:19/05/10 14:49
幽体離脱 会社 憂鬱 自由

空岸なし

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