落ちた

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「落ちた!」
犬の散歩中、隣でスマホを見ていた兄が突然叫んだ。俺は驚いて振り返った。
「何が?」
「UFO?」
「それとも面接の結果?」
「スマホの電源?それともネトゲのサーバー?」
「刀の切れ味?」
「自分への評価?」
「恋?」
「地獄?」
「指?」
後半はふざけ半分に問いかけたが、兄は答えない。空中の一点を見つめて茫然自失としているだけだ。
途端、道の真ん中で爆発が起きた。みると、道にUFOがめり込んでいる。その中から眼鏡美少女が飛び出してきた。兄は懐から小刀を取り出して美少女に斬りかかる。が、眼鏡を傷つけることも叶わない。そのうちにUFOの下からマッチョな鬼が飛び出してきた。連れ去られる美少女を追って兄は地獄の裂け目に入っていった。
俺は呆然としながら兄のスマホと彼の指を拾い、再起動させた。お祈りメールが表示された。
「全部、かよ」
俺は、兄の無事を祈った。
この話に、オチはない。
その他
公開:19/05/11 23:05
やりとりから生まれた作品 ミステリー挫折して 言葉遊びに(笑)

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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