幸せって

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「隊長、南西から風が参ります」
「よし!各隊員に告ぐ!南西より風が吹く。これに乗り更なる生命の拡大を頼む!私たちの想いを広く伝えてくれ!健闘祈る!」
「綿毛1号行きまーす」
「綿毛2号行きまーす」
・・・
「皆さまのお気持ち忘れません!最後の隊員、綿毛66号行きまーす」

南西の風に隊員66本、風に上手く乗る。心地良い風の香りを感じ、親元を離れて行く気持ちだ。
しばらく行くと南南西からも綿毛集団72本が来た。そして南南東から56本、南から101本もいい具合の風という名の波に乗り、更なる綿毛集団を形成。総本数305本の綿毛集団は初夏の陽気な風に身をまかせ流れて行く。「生命の拡大」という使命はとうに忘れた。一つの光に吸い込まれていく。

「おっさま、粋な綿帽子おすなぁ」
女は和尚の頭を見て言った。
「綿帽子とはハテ?」
綿毛305本は和尚の頭の上で幸せな時を過ごしました。
ファンタジー
公開:19/05/11 21:10

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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