最初の冬のひとひら
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名残の花が、ふわり、ふわり、と舞い散る空を映す、あの美しい黒真珠が忘れられない。
桜若葉と呼ぶにはまだ早い木の、若葉と若葉の隙間に残った花弁が、うららかな春の陽を湛えた光のしずくを纏っては、ほろほろと散ってゆく。
ひとひら、また、ひとひらと。
零れ落ちる春の輝きを、君はその切れ長の美しい眼で見ていた。
君の薄く開かれた双眸から覗く、艶やかな黒真珠の瞳に映る、春の最後のひとひらは、僕たちが出会った冬の初めに降っていた、優しい淡雪に似ていた。
桜若葉と呼ぶにはまだ早い木の、若葉と若葉の隙間に残った花弁が、うららかな春の陽を湛えた光のしずくを纏っては、ほろほろと散ってゆく。
ひとひら、また、ひとひらと。
零れ落ちる春の輝きを、君はその切れ長の美しい眼で見ていた。
君の薄く開かれた双眸から覗く、艶やかな黒真珠の瞳に映る、春の最後のひとひらは、僕たちが出会った冬の初めに降っていた、優しい淡雪に似ていた。
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公開:19/05/09 03:02
行き場をなくした文字の羅列たち。
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