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その日は、令和元日で仕事が早く終わった。僕は時間にも余裕があって、本屋に立寄ることにした。そこで一冊の本と出会ったのだ。
週末、僕が友人のユウと街のカフェで世間話をしていた時だった。
「最近何かいいことあったのか? 前よりよく笑うよな」
ユウは少し怪訝な顔をして聞いてきた。
「ああ、少し前の日に買った本に影響されてかも」
「何それ、お前の性格を変える本ってどんな本だよ。俺にも見せてよ」
興味深げに聞いてきたユウに僕は、ニコリと笑い本を掲げて見せた。
本を貸してからユウとは連絡がとれなくなっていた。少し嫌な予感がした。彼がそんなことをする人間ではないと信じたかったのだが、結果はニュースで知ることとなった。彼は、僕が貸していた“読む人によって形も内容も変わる本”を悪用して人を騙していたのだ。彼にはあの本がどのように見えていたのだろう? 僕にはあの本が、額縁に入った令和の文字に見えていた。
週末、僕が友人のユウと街のカフェで世間話をしていた時だった。
「最近何かいいことあったのか? 前よりよく笑うよな」
ユウは少し怪訝な顔をして聞いてきた。
「ああ、少し前の日に買った本に影響されてかも」
「何それ、お前の性格を変える本ってどんな本だよ。俺にも見せてよ」
興味深げに聞いてきたユウに僕は、ニコリと笑い本を掲げて見せた。
本を貸してからユウとは連絡がとれなくなっていた。少し嫌な予感がした。彼がそんなことをする人間ではないと信じたかったのだが、結果はニュースで知ることとなった。彼は、僕が貸していた“読む人によって形も内容も変わる本”を悪用して人を騙していたのだ。彼にはあの本がどのように見えていたのだろう? 僕にはあの本が、額縁に入った令和の文字に見えていた。
その他
公開:19/05/08 23:17
令和
本
新しい
気持ち
地球人です。
日本人です。
社会人です。
ダメ男です。
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