217. 家族の思い出

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「俺のことなんてどーでもいいんだろ?」息子が反抗期を迎えた。
共働きで構ってやれてないからか?俺も妻も帰宅が遅いので最近はすれ違ってばかりだ。どうしよう…。
俺は暫しの間考え、新型VRシステムを買ってきた。
「翔、これを一緒に見よう」

ヘッドセットは三つ。一人一つずつつけると、俺はスタートボタンを押した。
予め設定していた通り、俺自身の家族と過ごした思い出が流れはじめ、年を遡っていく。
最初は嫌々だった息子も、幼児期に三人で過ごした場面になると
「こんなことあったんだね。俺は愛してもらってたのか…」と感嘆の声をあげた。
その言葉を聞いて妻と共にホッと一息つくと、息子の生まれる場面まで遡った。
「わぁ、俺が生まれた時こんなんだったんだ!母さん嬉しくて泣いてるじゃん」
良かった!!

しかしそのままVRはもっと記憶を遡りはじめ、二人の交際していた時代に──。

「「翔、見ちゃだめ!!」」
その他
公開:19/05/09 21:00
更新:20/11/09 12:54

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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