タイムマシンが2台

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「これが博士の開発したタイムマシンですか?」
「そうだ。一生を捧げた研究の成果じゃ」
博士はもう90歳を過ぎていた。
「おめでとうございます。我々も資金を援助して来たかいがあります」
「タイムマシンは2台同じ物を作った」
「なるほど」
「私がこっちに乗るから君はそっちに乗りなさい」
乗り込むとマシン内のスピーカーから声が聞こえた。
「あーあー、聞こえるかの。私の方は20年過去へ行くようにセットしてあり、そっちは20年未来へ行くようにセットしてある」
「ほうほう、それでどうなります?」
「同時に航行開始だ」
タイムマシンは大きな電子音を上げて操作盤のランプが点滅、数分後静かになった。
「実験は大成功だ!」
「どうなったんですか?」
二人は外へ出た。
「この2台のタイムマシンはこうやって連結してあるのじゃ。お互いに打ち消しあって、過去へも未来へも行かなかったということは大成功というわけじゃな」
SF
公開:19/05/09 17:41

家韮真実(いえにら・まみ)( 兵庫県 )

もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)

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