晴れ男ハレル・ヤン

オレは雨スナイパー。ハレル・ヤンだ。
依頼があれば、どんな雨だろうと、局地的に晴らしてやる。このバズーカ砲があればね。おっと依頼だ。
（スマホを見る）
彼女とデートか。しかもプロポーズをするだと。なるほど、プロポーズの日に、雨が邪魔ってわけか。

オレは依頼者の男がいるデート現場に駆けつけた。
ジッと上空から様子を伺う。
そろそろプロポーズをするようだ。

アメトバスーカ発射！

カップル付近の雨は吹き飛ばされた。しかし時間が限られている。数十分で雨は再び降り出してしまう。
一生一度のプロポーズ、時間内にしっかり決めろよ。
依頼者の男が彼女の前に指輪を差し出した。
「美咲さん！僕と結婚してください！」

マジか…どうやらプロポーズ失敗のようだ。彼女は頭を下げて彼のもとから去ってしまった。

「残念だったな。これを食え、涙飴だ。おもいっきり泣け」

男はアスファルトに局地的な涙雨を降らせた。