宇宙の場末で

6
25

太陽から最も遠い外縁天体である小惑星セドナ。その第17地区の場末で、56時を回った今も「ꉻÐ⫸ドーナツ」セドナ第⧳支店は営業している。今日は星間連盟が定めた10連休の真っ只中なのだが、この店では紺碧色の顔の店員が1人で客に応対している。
「よし、メ・マスドーナツとレワパイとテム水下さい」
「メープルドーナツとレワジュースとテム水?」
「メ・マスドーナツとレワパイです」
「Σドーナツとレワパイですね?」
「メ・マスドーナツです」
「メ・マスドーナツ1つ?」
「とレワパイとテム水です」
ガニメデ星人の客は、セドナ語で話しているのになぜ伝わらないのかと首を傾げたが、店員の名札を見て驚いた。
「もしやあなた、ガニメデの方?」
「……えっ…ええ、はい」
「私もなんですよ!見た目だけじゃどの星の方か判断しかねますね。母星を離れてお働きに…そうですか」
紺碧色の客はガニメデ語でやり取りを始めた。
SF
公開:19/05/04 17:13
更新:22/09/11 13:17

北瓜 彪

ショートショート講座(2019年7〜9月期)にも参加
しました。
皆様宜しくお願いしますm(_ _)m

※アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/664452356
でも活動しています。SS講座で提出した作品「ファンフラワーに関する見聞」「大自然」もそちらで公開しております。
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容