たんこぶ
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公園のベンチでぼーっとしていたら、小さい子に声をかけられた。
「大丈夫?」
やたら上目遣いでそう訊かれ、よく分からなかったが「うん、大丈夫だよ」と答えた。
けれどまだ納得しかねる様子で「本当に? 痛くないの?」とまた尋ねてくる。
困惑しつつも、安心してもらおうと「どこも痛くないよ。元気だよ」と笑顔で返した。
けれど、その子は心配そうな顔のまま私の頭を指差して言った。
「でも、たんこぶできてるよ!」
ああ、そういうことか。脳天の「これ」が、この子には赤く腫れ上がった大きなたんこぶに見えたのか。
「ははは、ありがとう。優しいね。でもいいんだよ。これはね……」
そうして私は、その子に鬼という妖怪について教えた。
「大丈夫?」
やたら上目遣いでそう訊かれ、よく分からなかったが「うん、大丈夫だよ」と答えた。
けれどまだ納得しかねる様子で「本当に? 痛くないの?」とまた尋ねてくる。
困惑しつつも、安心してもらおうと「どこも痛くないよ。元気だよ」と笑顔で返した。
けれど、その子は心配そうな顔のまま私の頭を指差して言った。
「でも、たんこぶできてるよ!」
ああ、そういうことか。脳天の「これ」が、この子には赤く腫れ上がった大きなたんこぶに見えたのか。
「ははは、ありがとう。優しいね。でもいいんだよ。これはね……」
そうして私は、その子に鬼という妖怪について教えた。
ファンタジー
公開:19/05/06 00:47
妖怪
あやかし
公園
子ども
鬼
超ド級の素人です。他サイト様でも書かせていただいています。
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