あなたに包まれて
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「ごめん。遅れた」
「遅いよっ…て、お兄ちゃん」
「何?」
「背、縮んだ?」
私は兄の頭が自分のお腹あたりにあることに気づいた。
「店に向かいながら話すよ」
ちっちゃい兄は語り始めた。
「餃子が好きなんだ」
「知ってる」
「愛してる。一緒になりたい。だからいつも行く店のお義父さんに頼んだんだ」
「店主ね」
「『餃子の皮で包んで幸せにしてください』って」
「そしたら?」
「涙ぐんで中華包丁を振り下ろしたよ。それで俺、半分になっちゃって」
「ははは」
目的のお店に着くとカウンターに座り、焼き餃子を注文した。
「半身は具材と一緒にミキサーにかけられて皮に包まれたんだ」
「念願叶ったね」
『はい。焼き餃子!』
私は届いた焼き餃子をたれにつけて口に運んだ。
その様子を兄は無言で凝視している。どうやら感想を聞きたいらしい。
知ったこっちゃない。
私は真実を皮に包んで飲み込んだ。
「遅いよっ…て、お兄ちゃん」
「何?」
「背、縮んだ?」
私は兄の頭が自分のお腹あたりにあることに気づいた。
「店に向かいながら話すよ」
ちっちゃい兄は語り始めた。
「餃子が好きなんだ」
「知ってる」
「愛してる。一緒になりたい。だからいつも行く店のお義父さんに頼んだんだ」
「店主ね」
「『餃子の皮で包んで幸せにしてください』って」
「そしたら?」
「涙ぐんで中華包丁を振り下ろしたよ。それで俺、半分になっちゃって」
「ははは」
目的のお店に着くとカウンターに座り、焼き餃子を注文した。
「半身は具材と一緒にミキサーにかけられて皮に包まれたんだ」
「念願叶ったね」
『はい。焼き餃子!』
私は届いた焼き餃子をたれにつけて口に運んだ。
その様子を兄は無言で凝視している。どうやら感想を聞きたいらしい。
知ったこっちゃない。
私は真実を皮に包んで飲み込んだ。
その他
公開:19/05/05 22:37
更新:19/05/08 11:15
更新:19/05/08 11:15
スクー
真実はいつもB級グルメ
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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