ラクダの神話

　楽園に、男の姿と女の姿とラクダの姿とがあった。男とラクダとの間にはヒトコブのラクダが、女とラクダとの間にはフタコブのラクダが産まれ、男と女との間には男か女かラクダかが生まれた。男と男との間にはヒトコブラクダが、女と女との間にはフタコブラクダが生まれ、ラクダとラクダとの間にはラクダが生まれた。
　ヒトコブラクダ同士にはヒトコブラクダが生まれ、フタコブラクダ同士にはフタコブラクダが生まれ、ヒトコブラクダとフタコブラクダとの間にはヒトコブハンラクダか男かが生まれた。ヒトコブハンラクダ同士は何も産まず、ヒトコブハンラクダと男との間には女が、ヒトコブハンラクダと女との間にはラクダが生まれた。
　ある日、ヒトコブハンラクダとフタコブラクダとが交じってアルパカとビクーニャが産まれ、アルパカとヒトコブラクダとが交じってラマとグアナコが生まれると、神は怒って楽園を砂漠にしてしまった。だが、なんとかなった。