生きてりゃいいこと一つはある

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事業に失敗し、借金はかさむ一方。
妻子に逃げられ、一人になった俺には生きる気力も価値もない。
どうせ死ぬなら海にでも身投げして魚の餌となろう。俺の死体は魚に食われ、警察の世話にもならんだろう。
俺は借金取りに乗せられた船から身投げした。体が海の底に沈んでいく…その時だ。
俺は海の底で光るものを見つけた。それは海賊の財宝だった。
俺は急ぎ借金取り達の所に戻ると海賊の財宝を引き上げさせた。
「今まで散々逃げ回っていたくせに急にこの船に乗ると言い出した時、俺は何か裏があると思っていたよ。まさか、俺達をこの財宝を引き上げるための人員に使うとはな…恐れ入ったよ…」
借金取りの頭が俺に脱帽した。もちろんそんなことはない。偶然だ。
だが俺はその資産を元に事業を立て直し、もう一度真っ当な道に戻ってくることが出来た。
いやはや…全てを諦めた俺であったが落ちるところまで落ちたらいいことの一つぐらいあるもんだ。
公開:19/05/02 19:15

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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