Rainy devil,in the waltz

6
6

火曜日の午後、雨降りの悪魔がやってくる。夢の入り口に立っている私の背中を叩き、こう誘いかけてくる。
"心の雨だれを探しに行こう"
確かに心は雨色で、雨と音が途切れない。螺鈿細工の螺旋階段に、リズムよく鳴り響く。
世界は音楽に満ちた舞台、或いは窓硝子を滴る雫の音階。ワルツを刻むように、雨降りの悪魔と階段を降りる。雨だれのリズムで心は満ち足りて、ぼんやりと心地よい。
"夢の向こうで響いている。一番奥はまだ先さ"
雨降りの悪魔が私の手を取る。優雅な手つきで扉を開ける。扉の先に扉、夢の扉は途切れない。
"まるで玉ねぎさ、君の夢は。剥いても剥いてもキリがない"
雨降りの悪魔に誘われて、沈む夢は心地よいーー。

「はい、どうぞ」
貴方の声と珈琲の香りで目が覚めた。ここは貴方の部屋、遠くで雨の穿つ音がする。
「夢を見たの。悪魔とワルツを刻む夢」
雨降りの日の午後は、お昼寝の悪魔と終わらない夢を見る。
ファンタジー
公開:19/05/02 17:45
雨の日はすごく眠たい タイトル先行の謎ポエム

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz

『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

こちらで写真を紹介、ハガキにと販売しております!
https://minne.com/@sakoyama0705  - ハンドメイドマーケットminne(ミンネ)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容