ハイドランド・シーク⑤
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「何処行ってたんです、店長」
静かに苛立ってる。腐っても5年の付き合いだ。背中越しの声は、調子が一緒に聞こえて、3割くらい毒が増してる。
「秋月君の店。良い事聞いちゃった」
「明日から再開です。遊んでる場合ですか」
通夜からお葬式、細かい段取りを全部やってくれた。再開準備も、商品手配とメンテナンスも。この数日、泊まり込みで。
どんなに有り難い人か解ってる。彼が正しいのも解ってる。子供っぽく見えて、ちゃんと大人だって解ってる。
解ってるのに、ことごとく空回りする。
『ハイドランジアのハイドは『隠れる』じゃない』
正しければ良いなんて誰が決めたの?
この人は、いつも私の一番痛い傷を抉る。
「ねぇ美咲君。貴方、美咲創樹(みさきもとき)の息子なの?」
背中がぐっと強張った。
「私サイン欲しい。丁度1さ」
「あいつの話は金輪際しないで下さい」
初めて聞く様な低い声。
その後、朝まで会話は切れた。
静かに苛立ってる。腐っても5年の付き合いだ。背中越しの声は、調子が一緒に聞こえて、3割くらい毒が増してる。
「秋月君の店。良い事聞いちゃった」
「明日から再開です。遊んでる場合ですか」
通夜からお葬式、細かい段取りを全部やってくれた。再開準備も、商品手配とメンテナンスも。この数日、泊まり込みで。
どんなに有り難い人か解ってる。彼が正しいのも解ってる。子供っぽく見えて、ちゃんと大人だって解ってる。
解ってるのに、ことごとく空回りする。
『ハイドランジアのハイドは『隠れる』じゃない』
正しければ良いなんて誰が決めたの?
この人は、いつも私の一番痛い傷を抉る。
「ねぇ美咲君。貴方、美咲創樹(みさきもとき)の息子なの?」
背中がぐっと強張った。
「私サイン欲しい。丁度1さ」
「あいつの話は金輪際しないで下さい」
初めて聞く様な低い声。
その後、朝まで会話は切れた。
青春
公開:19/05/02 08:47
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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