私の車窓
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河川に映る球体ガスタンクと夕日。この電車に乗車して以来、変わらず車窓に映り続ける景色だ。
「隣いいですか?」
外を眺めていると、男性に声をかけられた。丸っこい顔と、笑うと糸のように細くなる目。愛嬌のある彼が語る話に私は夢中になり、いつしか景色を見なくなった。
「ここ座っていい?」
出会って何駅目かで小さな子供達と相席となり、旅はいよいよ賑やかになった。
駅を一つ過ぎる度、子供達は大きくなり、彼の頭は薄くなっていった。私達は老いの寂しさも未来への期待も毎日がごちゃ混ぜで笑い合った。
電車は速度を上げていく。
「次で降りないか?」
子供達も電車を降り、二人だけとなった旅の途中、彼が切り出した。
私は彼に支えられながら、生まれて初めて電車を降りた。乗車して80コ目の駅だった。
ホームから見える景色に私は笑った。球体ガスタンクにはニッコリと笑顔が描かれていた。頭も顔も彼にそっくりだった。
「隣いいですか?」
外を眺めていると、男性に声をかけられた。丸っこい顔と、笑うと糸のように細くなる目。愛嬌のある彼が語る話に私は夢中になり、いつしか景色を見なくなった。
「ここ座っていい?」
出会って何駅目かで小さな子供達と相席となり、旅はいよいよ賑やかになった。
駅を一つ過ぎる度、子供達は大きくなり、彼の頭は薄くなっていった。私達は老いの寂しさも未来への期待も毎日がごちゃ混ぜで笑い合った。
電車は速度を上げていく。
「次で降りないか?」
子供達も電車を降り、二人だけとなった旅の途中、彼が切り出した。
私は彼に支えられながら、生まれて初めて電車を降りた。乗車して80コ目の駅だった。
ホームから見える景色に私は笑った。球体ガスタンクにはニッコリと笑顔が描かれていた。頭も顔も彼にそっくりだった。
ファンタジー
公開:19/05/03 22:28
更新:19/05/04 10:18
更新:19/05/04 10:18
結婚祭り
マイペースに書いてきます。
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100 サクラ
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